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『熱帯』 森見登美彦 著

森見登美彦氏が人気作家だということは知っていましたが、
今まで呼んだことがなく、今回が初森見作品でした。
読もうと思ったきっかけは、NHKラジオのすっぴんにご本人が登場したため。
その時この熱帯の話になり、
なんと森見氏本人が物語に登場し、しかも誰も最後まで読めないという話。
入れ子構造で…というのがなんとも面白そうだと思ったから。

とはいえ、本は読んでから気に入ったら買うという主義なので、
まずは図書館でリクエストしました。
さすが人気作家なので届くまでに数ヶ月。
ようやく読めると思ったタイミングが悪く、とても忙しい最中で
なんと2週間の貸し出し期間では半分も読めませんでした。
泣く泣く一度返却し、もう一度リクエストをかけ…。
という小説の設定そのままに最後まで読めないことを実体験してしまいました。

汝にかかわりなきことを語ることなかれーー。
こんな警告から始まり、
沈黙読書会、移動古本屋の暴夜(アラビヤ)書房、学団のメンバー、
部屋の中の部屋、魔王に満月の魔女、不可視の群島など、
不思議なワードがたくさん出てきます。

千夜一夜物語を下敷きに、繰り返し語られる夢の中のような世界。
前半はミステリータッチで後半はファンタジー色が濃くなり、
何だか最後まで迷宮の中を彷徨った様な不思議な感覚に陥りました。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2019年07月11日 17:33