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シネマ歌舞伎『アテルイ』

2月のシネマ歌舞伎はリクエスト上演の『歌舞伎NEXT アテルイ』。
劇団☆新感線の座付作家である中島かずき氏の脚本、
いのうえひでのり氏の演出による新しい感覚の歌舞伎でした。

大和朝廷は、国家統一を目指し朝廷に歯向かう蝦夷を倒すため、
帝人軍を送り込みます。
一方都では、立烏帽子党と名のる盗賊が人々を襲っています。
それを止めに入った一人の踊り女(中村七之助)。
彼女が本当の立烏帽子党の頭目であり、
蝦夷の神である荒覇吐(アラハバキ)の怒りを買って追放されたため、
都で蝦夷のために戦いながら愛する男を探していました。

立烏帽子党の偽物は、実は蝦夷の評判を落とすために朝廷側が仕立てた策略で、
それを知らずに捕らえに来たのが、
朝廷側の若き役人坂上田村麻呂(中村勘九郎)でした。

そこに現れたもう一人の男(松本幸四郎)。
自身を北の狼と名乗ります。
彼こそは、愛する女を守るためにやむなく神の遣いを殺してしまい、
名前も記憶も奪われて追放された蝦夷の族長アテルイでした。
ここで出会ったことで二人は記憶と名前を取り戻し、
故郷を守るため蝦夷の里に戻ります。

アテルイと田村麻呂はお互いを認め合う関係となるが、
田村麻呂は征夷大将軍となって朝廷軍を率い、
蝦夷の族長となったアテルイとは敵同士となります。
田村麻呂とアテルイは、それぞれが様々な策略や味方の裏切りに合いながら、
戦いの場で再び出会います。

上演時間185分の長さを感じさせない、
スリルあり、笑いあり、そして意外などんでん返しもあり、
最後までハラハラドキドキしながら観劇しました。

それにしても歌舞伎役者さんの表現力は本当にすごいものだなぁと、
今回もシネマ歌舞伎で再確認しました。
とても面白かったです。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2020年02月12日 17:13