
6月28日、静岡市葵区の江崎ホールで開催された、
「柳家花緑独演会」に行ってきました。
150人の会場が満席でした。
まずは花緑師匠の9番目のお弟子さんという、
柳家圭花さんの「子ほめ」から。
歯切れの良い口調でとても聞きやすい正統派古典落語でした。
ご隠居さんからお世辞を習い、
タダの酒にありつこうと相手を見つけてほめたつもりが逆に怒らせてしまい、
友達の竹の家で生まれたばかりの赤ん坊ならいいだろうと、
必死にほめたつもりが、
「一つにしてはお若い、どう見てもタダだ」といってしまう始末。
そんなダメダメ与太郎でも、
落語の世界では懐広く受け入れられます。
圭花さんに続いて、いよいよ花緑師匠の登場。
マクラでは、日本中を飛び回っている師匠らしく、
その地方特有のネタがとても面白かったです。
そして最近成立したばかりの「テロ等準備罪」にかけて、
これも立派な「テロ等準備罪」に当たるという噺「不動坊火焔」。
この噺はかなり好きで、色々な噺家さんバージョンを聴きましたが、
前半をコンパクトにまとめ、
ラストまで盛り上げる花緑師匠の話芸はさすがでした。

仲入り後は、7月に東京と静岡で開催予定の「d47落語会」(写真)のお話から。
江戸時代、落語は同時代の話だったということで、
それを現代でもやってみるという試み「同時代落語」。
「d design travel」というガイドブックが発売された県から順に
その土地を題材にした新作落語と古典落語を披露する会ということで、
第17回「静岡県」が7月12日と19日に行われるそうです。
これはぜひとも聴きに行かねば。
そして花緑師匠の二席目は、
祖父に当たる5代目柳家小さん師匠の得意ネタだった「猫の災難」。
これもかなり好きな噺です。
小さん師匠の録音で何回も聴きますが、
生で聴けたのは初めてです。
花緑師匠はお酒が飲めないそうですが、酔っ払いの描写が素晴らしくて、
旦那様も「自分を見ているようだ」といって喜んでいました。
演目が全部好きな噺だったので、本当に楽しくて嬉しかったです。
もちろんd47落語のチケットもすぐにゲットしました。
来月も楽しみです。
【きらくな寝床】