
昨年読んだ本の中で一番心に残ったのが
この「獣の奏者」でした。
出会いは最初深夜にかけたNHKのアニメでした。
それも途中からだったので話もよくわからず、
多分子供向けのお話なのだろうと思っていました。
しばらくして、
よく行く生涯学習センターの図書コーナーの方に偶然薦められ
読みはじめたのですが、一気に4巻まで読破しました。
分類は児童文学なのに大人が読んでも充分に楽しめる、
本当に奥が深い物語の世界に魅了されました。
上橋さんは文化人類学を専攻されていて、
とくにオーストラリアの先住民アボリジニの研究をされたと
筆者紹介に書いてありましたが、
そういう知識に裏打ちされた表現力は流石でした。
そして、5巻が物語の外伝として出ました。
でもほとんどの外伝というのは本編に比べてあまり面白くないものが多いので、
ちょっと心配しながら手に取りました。
でもそんな心配は無用でした。
前に書いたことがありますが、
その物語に表現された世界の奥に、どれほどの描かれなかった世界があるかによって、
その物語の奥深さが決まると思っています。
まさに、この外伝はその描かれなかった世界の一端を垣間見せてくれました。
昨年の感動をもう一度味わう事が出来て本当に嬉しかったです。
上橋さんが次回またどんな世界を私たちにみせてくれるのかも楽しみです。
【ほし太の日向ぼっこ】