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『ウォッチャーズ』 上・下 ディーン・クーンツ 著・ 松本剛史 訳 文春文庫

1986年にディーン・クーンツによって発表された本作は、
今から35年も前に書かれた本です。
日本語訳の出版は1993年なのですがそれでも28年前。
そんなに昔の本を何故読もうと思ったのかと言えば、
先月美容院で読んだ雑誌で紹介されていたからです。
厳密にいえば紹介されていたのは本作の続編ともいえる、
『ミステリアム』という本が今年出版されたという紹介記事でした。
それはどうやら人間並みの知能を持った犬が出てくる小説ということで、
なんとなく興味を持ちました。
先月「夏への扉」という、それも65年前に書かれたSFを読んで面白く、
また翻訳モノを読んでみたくなったというのもあります。
ディーン・クーンツという作家さんのことは知らなかったのですが、
ホラー、ファンタジー、SF、ミステリーなど多岐にわたるジャンルを書く、
アメリカのベストセラー作家さんでした。

自分の愛する人が次々と亡くなってしまい一人取り残されたトラヴィスは、
人生に深い絶望を抱えて生きています。
ある日、偶然山の中でボロボロのゴールデンレトリーヴァーに出会います。
後にアインシュタインと名付けたその犬は、
ある研究所で誕生した知能を持った犬でした。
トラヴィスはアインシュタインによって再び生きる希望を得、
愛する女性ノーラにも出会います。
ノーラも厳格な伯母に虐待のような躾をされ続け、
脅迫観念を植え付けられた消極的な女性でした。

狂信的な殺し屋(奪った命を自分の命として取り込めると信じている)や、
仕事一筋で完璧主義を貫き自分も家庭を顧みない国家保安局の男など、
それぞれの登場人物たちの描写も巧みです。
研究所から同時に逃げ出した、
殺戮兵器として作られたアウトサイダーという謎の生物が、
残虐な殺人を各地で行いながら、
憎いアインシュタインを殺すために執拗に追いかけてきます。

国家保安局、殺人鬼、アウトサイダーに追われる、
トラヴィスとノーラとアインシュタインがどうなるのか、
ただの殺人マシーンだと思っていたアウトサイダーの心情を知る場面では、
心が痛くなることも。
ロマンスあり、アクションあり、スリルありと、
最後までハラハラドキドキでした。

【ほし太の日向ぼっこ】

日時: 2021年08月24日 16:00