
松竹創業130周年を記念し、
歌舞伎三大名作の通し上演が行われると発表され、
その第一弾「仮名手本忠臣蔵」が上演されました。
しかも日程によりAプロ、Bプロに分かれたダブルキャスト、
という豪華な俳優陣です。
本当なら大序から順番に観たかったのですが、
仕事の都合で、
15日に夜の部を先に、23日に昼の部を観劇しました。
見た順番は逆ですが、
仮名手本忠臣蔵の通し上演を見るのは初めてだったので、
古式に則った演出がとても厳粛で美しいと感じました。
また、江戸時代に実際にあった事件を
そのままを上演することは禁止されていたため
人物や時代背景を室町時代に設定しています。
登場人物の名前も、塩谷判官、高師直、大星由良助となりますが、
もちろん江戸時代の観客には誰が誰かはわかっています。
昼の部開演10分前、
幕前にて「口上人形」による当日の配役の読み上げがありました。
格の高い役者さんの紹介前には「エヘン」という咳払いがあり、
読み上げの抑揚も楽しいです。
また幕が引かれた後も登場人物の役者たちは「人形身」といって、
魂のない人形のように座っていて、
竹本に名前を呼ばれて初めて顔を上げ役を勤め始めます。
これは、最初に文楽で上演されたことに敬意を表しています。
また、通し上演でしか上演されないという
四段目の、判官切腹の場は厳粛で美しく残酷でした。
この場があるから最後の討ち入りまでの
浪士たちの気持ちがとても理解できました。
そして夜の部は、
早野勘平とおかる、寺岡平右衛門など浪士たちのそれぞれの事情、
由良助の覚悟など、
様々な人物の生きざまが描かれ、
十一段目の討ち入りから引き揚げまで
壮大な物語が描かれました。
とても見ごたえのある通し上演でした。
できればAプロ、Bプロを見比べたい気持ちでした。
【ほし太の日向ぼっこ】