アキラとあきら 池井戸潤 著 徳間文庫
友人から池井戸作品「アキラとあきら」を借りました。
700ページを超える厚さながら、
相変わらずの読みやすさで一気にとは行かないまでも、
先へ先へと読み進みました。
読後に調べたら、
この作品は池井戸氏がかなり前に手がけた作品に、
今回加筆修正し文庫として出版されたのだそう。
銀行を舞台に、相変わらずのスリリングな展開で
最後まで気が抜けませんでした。
前半は町工場を経営する父親の下に生まれた
山崎瑛(あきら)の生い立ちを丁寧に追います。
そして大手海運会社「東海郵船」の御曹司として生まれた階堂彬。
生まれも育ちも違う、二人のアキラの、
幼いころからの成長を丁寧に描くことで、
二人の持つ宿命がくっきりと浮かび上がります。
やがて産業中央銀行に就職した二人のあきらの人生が交錯し、
二人の生い立ちに絡む大いなる試練が訪れます。
この逆境をいかに乗り越えていくのか。
その姿にとても感動しました。
社会人として、人間として一番大切なこと、
生きていく中で守っていくべきもの。
私自身もそれを忘れないで生きていきたいと思いました。





