掃除婦のための手引書 ルシア・ベルリン著 講談社

とても不思議な短編集。
一つ一つの話は全く繋がりはなく、
場所も年代も全く違うのに、
これはほぼすべて作者であるルシア・ベルリンの人生の一コマだという。
全て実話ではないというけれど
情景描写も心情も、全て目に浮かぶほど細かくて鮮明。
貧困や差別、虐待、
どんな悲惨な体験もどこかユーモアがありそして美しい。
腕にできたあざの後を星座に例える心の強さを感じます。
印象的だったのは少年刑務所で行われる作文教室。
先生(おそらくルシア本人)が少年たちに出したお題は、
『直接内容を語らず読者に結末がわかるように書くこと』
それはルシア本人が書いている物語でもそうでした。
訳者は何と岸本佐知子さん。
岸本さんのエッセイ「根に持つタイプ」は
岸本さん自身が全くデタラメな人だと感じさせるけれど、
本業はやっぱりすごい。
というギャップに萌えます。
そして装丁はなんとクラフトエヴィング商會でした。
読み終わった後もずっと余韻が残っています。























