SPAC演劇「黒蜥蜴」 演出:宮城 聡

江戸川乱歩原作、三島由紀夫作のSPACの新作演劇「黒蜥蜴」を観ました。
小学生の時江戸川乱歩の少年探偵団シリーズにハマり、
図書館で順番に借りて読んでいた頃の、
怪しげな世界観に浸るドキドキを久しぶりに思い出しました。
第一幕は大阪のホテルの一室。
黒蜥蜴から宝石商の岩瀬庄兵衛の令嬢早苗を誘拐すると予告状が届き、
探偵明智が雇われる。
早苗と一緒にいるのは、得意客の緑川夫人(黒蜥蜴の変装)。
黒蜥蜴は、早苗をまんまと誘拐したつもりが明智に見破られ失敗。
ここでの二人の長台詞の会話の応酬が後々の展開につながります。
第二幕
東京の岩瀬邸
黒蜥蜴の手下ひなが家政婦として潜入している。
早苗をソファに閉じ込めて今度は誘拐に成功し、
身代金として、岩瀬氏の持つ宝石「エジプトの星」が要求される。
黒蜥蜴のアジトと明智の事務所では、
お互いがお互いを意識していることを独白。
東京タワーで、黒蜥蜴はまんまとエジプトの星を受け取り立ち去る。
第三幕
黒蜥蜴の舟
東京タワーからつけてきた明智がソファーの中に潜伏していることを知り、
部下にソファーごと縄で縛り海に放り込ませる黒蜥蜴。
複雑な思いを吐露する。
黒蜥蜴の私設美術館
恐ろしい人間の剥製が飾られている。
早苗も人形にされるために連れてこられたことを知る。
しかしここでも意外などんでん返しが…。
ストーリー自体とても面白く、
俳優たちの圧巻のセリフにもしびれました。
たきいみきさん演じる黒蜥蜴は、
想像していた以上に美しく、大胆かつ知的な女盗賊そのものでしたし、
大高さん演じる明智小五郎は、冷製沈着な正義の味方と思いきや、
大胆さもあり、悪を犯す黒蜥蜴の心情も理解しています。
だからこそ、黒蜥蜴の美学に惹かれ恋心を持つのでしょう。
随所に宮城さんらしいユーモアの要素もあり、
極上のエンターテイメントでした。
















