まほろ駅前多田便利軒(文春文庫)三浦しをん

この春映画化されるまでこの本の存在を知りませんでした。
なんと直木賞まで受賞しているのにどうして知らなかったのかな?
しかも、三浦しをん さんはかなり好きな作家さんです。
三浦しをんさんの描く世界は魅力に溢れていて、
知らぬ間に引きこまれ、自分もその世界の住人になりたいと思ってしまいます。
よく落語の名人が蕎麦の噺をすると、
「帰りに蕎麦屋が混む」と聞いたことがあります。
そんな感覚と同じで
文楽の世界を描いた「仏果を得ず」を読んだ後は、
文楽が無性に観たくなり
実際に国立劇場まで文楽を観にいってきました。
「まほろ駅前多田便利軒」は、
多田と行天という高校のクラスメートだった二人の男性を中心に、
便利屋に仕事を依頼する様々な濃いキャラクターが登場し、
フィクションとわかっていても、
こんな人いそうだな…、
なんて思いながら楽しく読めました。
読み進むうちに、困ったやつだけど行天が愛すべき人物に思えてきて、
三浦マジックはここでも充分発揮されていました。
ところどころ出てくる、
きらりと光る深い台詞がよかったです。
スピンオフの物語もぜひ読んでみたいな。
それと、映画の配役も自分とのイメージによく合っていました。
多田は瑛太で、行天は松田龍平。
ちょっと若い気はするけど、
二人がどんな多田と行天を演じたのか…。
劇場では見逃してしまったので、
何かの機会に絶対観てみたい1本となりました。














