
静岡市の視聴覚センター(マビック)で毎週木曜、
多くの名画を上映してくれた「木曜劇場」。
残念ながら、3月いっぱいで終了となってしまいました。
その最後に上映されたのがこの「道」でした。
観ていて、なぜこの映画のタイトルが「道」なのか
その意味をずっと考えていました。
貧しい家に生まれたジェルソミーナは、
1万リラで大道芸人のザンパノに買われます。
ザンパノと一緒に旅をしながら、
時には暴力を振るわれたり、浮気をされたりと、
嫌になって逃げ出して、またザンパノの元に連れ戻されての繰り返し…。
辛いことばかりの暮らしだけど、
綱渡り芸人から、
「この世にあるものはすべて何かの役に立ってる。」と聞いたとき、
ジェルソミーナは、自分がザンパノの役に立っているということを実感し、
生きる意味を持ったのだと思う。
けれど、そんなジェルソミーナの気持ちも知らず、
親切にされた修道院から銀の像を盗み、
ふとしたことから、
取り返しのつかない過ちを犯してしまうザンパノ。
そして最後には自分が生きていくために
ジェルソミーナまでも捨ててしまいます。
何年か後、相変わらず大道芸人として生きるザンパノの姿。
そして、ジェルソミーナが死んだことを知った時、
初めて無くしたものの大切さがわかったのでしょう。
当たり前にそばにあるときにはその大事さに気がつかず…。
この映画はずっと観たいと思っていました。
そして観終わった後も、
その物悲しいメロディとともに、
これからもジワジワと心の中に残リ続けるような気がしました。
【ほし太の日向ぼっこ】