
宮城県登米市に及川さんご夫婦が営む「有機農園ファーミン」があります。
台風12号の影響がまだ残る9月4日、
この農園を訪ねてきました。
震災以来初めて会うので、
そのときの状況と近況を聞きました。
幸いにも及川さんの自宅、農園ともに被害は最小限だったようですが、
ライフラインが復旧するまでの生活はかなり苦労されたことでしょう。
この登米市のすぐ隣町は「南三陸町」。
及川さんもボランティアで何度か行ったそうですが、
「街全体が何も無くなってしまった」状態だそうです。
被災地の方々は被害の大小に関係なく、
お元気そうに見えても、
精神的にキツイことがまだまだたくさんあると感じました。
そして何より心配で、話の核となったのが、
福島原子力発電所事故の影響です。
及川さんは本当に志の高い生産者です。
「環境も人も未来も守る」という強い思いで就農されているので
「汚染されたお米は絶対に出したくない」
と話していました。
土壌検査も独自に早い段階で行なっていて、
放射能対策もかなりされていました。
具体的には
田んぼにカリウム(パームアッシュ)を入れて
セシウムを吸い上げないようにする。
カルシウム(牡蠣がら石灰)を入れてストロンチウムを吸わないようにする。
など、
まだ収穫前なので米の検査はまだでしたが、
幸いにも稲体の検査では放射性物質は殆ど検出されませんでした。
宮城県全体の調査でも、
土壌や早場米など、いずれも問題ない数値だったので
流通はされるでしょうが、
何よりも風評被害が心配です。

一番上の写真は、ひとめぼれの田んぼです。
だんだんと穂がたれてきています。
今年は作柄がよく食味のよいお米が実りそうです。

登米市は、環境保全に努めていて、
及川さんの田んぼの近くには、
ラムサール条約により保護されている伊豆沼、内沼があり、
渡り鳥の越冬地となっています。
田んぼにも小鷺など、鳥がたくさんいました。
しっかりと放射能検査をして問題がないとわかったら、
「敬遠しないで、東北のお米をいつもどおり食べて欲しい」
と強く思いました。
【ほし太の日向ぼっこ】