ふじのくに⇔せかい演劇祭 2019 『歓喜の詩』
演劇祭最後は、ピッポ・デルボーノ氏による構成・演出の、
『歓喜の詩』を観劇しました。
ピッポさんの劇団員は、路上で出会ったダウン症の青年や、
精神科の保護施設から連れ出したボボーさん(現在は亡くなってしまった)
ホームレスや難民、ダンサーと異色です。
ピッポさんはリーフレットの中で、
それぞれが極めて特異なパフォーマンススキルをもち、
独自の存在感、人生経験、身体、言葉を通じて、
ピッポさんと観客たちに自分自身の物語を語っていると述べています。
ピッポさんが劇団員とともに歩んだ、
20年の道のりをこの作品に込められているようでした。
ボボーさんも声で出演していました。
歓喜の詩というタイトルとは裏腹に、
オープニングから悪夢のようなパフォーマンスが続きます。
点滅する強い光に映し出される異形のものたちや、
まるでテロリストを思わせるような存在。
様々なメタファーに彩られた舞台上は、
枯葉が敷きつめられ次第に花で埋め尽くされます。
たくさんの詩が語られ、
人生は、悪夢のような苦しみの連続だけれども、
生きていくことはまた、幸福へ近づいていくことでもある。
と教えられたように感じました。
これで全ての演目が終了し、
演劇にどっぷりとはまった10日間でした。
しばらくはSPACロスになることは間違いないでしょう。