
NHKラジオのすっぴんという番組が好きで、
放送時間に車に乗っていれば必ず聞きます。
7月の最初のころ、すっぴんのゲストに、
フォトグラファーのヨシダナギさんという方が出演され、
その時のことがとても心に残っていました。
ヨシダナギさんは、5歳の時にテレビでマサイ族を見て憧れを抱き、
将来は、自分も黒い肌のマサイ族になろうと決めたそうです。
その話を聞いた時、星野道夫さんのことを思い出しました。
星野さんは、学生時代に古本屋でアラスカの写真集を買い、
そこに出ていたシシュマレフ村にどうしても行きたいという気持ちになり、
村長に手紙を出したのだと本で読んだことがあるからです。
その後アラスカに渡り、生涯にわたってアラスカの写真を撮り続けました。
私の大好きな写真家です。
人は時に、自分の将来を決めてしまうような、
圧倒的な瞬間の出会いというものがあるのですね。
で、このヨシダナギさんは、
10歳の頃「いつ私の肌の色は変わるの?」とお母さんに聞き、
初めて自分は日本人で、アフリカ人にはなれないという悲しい事実を知ったのだそう。
それからもアフリカに対する憧れは消えることなく、
2009年、たぶん23歳の時ついに初めてのアフリカの地「エチオピア」に渡航。
そこからアフリカの国々を訪れ、書き綴られたブログに、
加筆修正を加えて今年の5月に出版されたのが本書です。
様々な素敵な出会いや、無神経なガイドに腹立ったり、
裸族と一緒に裸になったりと、
相手の文化を尊重し、懐に飛び込むことによって仲良くなるナギさんの、
自由奔放な行動力に引き込まれ、
笑ったり、ほろりとしたりの連続で、
私もアフリカの魅力を存分に感じました。
もちろん、アフリカの現実は厳しく、
そんな素敵な出会いばかりではないけれど、
それを含めて、
お金がなくても豊かに暮らす彼らの、日常の一端を知ることが出来ました。
ナギさんの写真集『スリ コレクション』もぜひ見てみたいです。
【ほし太の日向ぼっこ】