初代国立劇場さよなら特別公演
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初代国立劇場が57年の幕を下ろし建替えが決まっているため、
最後の歌舞伎公演として9月と10月の二か月にわたり、
義太夫狂言屈指の名作「妹背山婦女庭訓」が通しで上演されます。
今月の第一部、
「春日野小松原」「太宰館花渡し」「吉野川」の三幕を観劇しました。
初めてでしたが少し前にNHKで放送された
文楽の「妹背山婦女庭訓」を観て予習してから観劇したので、
よりわかりやすかったです。

物語はロミオとジュリエットにも例えられる悲劇で、
恋に落ちた若い雛鳥(中村梅枝)と久我之介(中村萬太郎)の家は、
それそれ領地争いをしている敵どおし。
それに加えて時の権力者である蘇我入鹿(坂東亀蔵)からの
無理難題を押し付けられたその親たち、
定高(中村時蔵)と大判事(尾上松緑)は、
相手の子の命を助けるために我が子の命を奪います。
子を思う親の苦しみを情感細やかに演じられた時蔵さんと松緑さんの演技と、
二つの花道を使った演出がとても印象的でした
浄瑠璃の中に「不義理な仲ほど義理深し」とあるのが涙を誘います。
劇場入口のホールには大きな幕がかかっていました。
残りあと一か月名残り惜しいです。































