
書評が好きで新聞や雑誌などに載っているとよく読むのですが、
同様にビブリオバトルというのも好きです。
ビブリオバトルとは、自分が読んで面白かった本を5分間プレゼンします。
その後2.3分の質疑応答を経て、
最後にどの本が読みたくなったのか参加者が投票して決める。
というもの。
もちろん技術的にプレゼンが上手な方が有利な気もしますが、
何よりその本を読んで自分がどれだけ感動したか、
自分にどんな影響をもたらしたかが伝わると、
自然とその本に興味がわき読んでみたくなります。
この「時給三〇〇円の死神」も、
偶然ラジオでかかったビブリオバトルで、
高校生くらいの男の子がプレゼンした本でした。
そのラジオを聞いていなければけして読むことはなかった本。
そういう偶然の出会いも面白いです。
高校生の佐倉真司は、ある日同級生の美少女・花森から死神のバイトに誘われる。
「死神」の仕事とは、成仏できずこの世に留まる死者の未練を晴らしあの世へと送ること。
時給は300円。
真司は、複雑な事情から極端な貧乏暮らしのため時給に惹かれてバイトを始める。
死者がこの世で過ごす時間はロスタイムと呼ばれ、
未練が無事果たされると成仏しロスタイムの出来事はなかったこととなる。
そして半年間無事に勤め上げればどんな願い事も一つ叶えてもらえるのだという。
軽いタッチの文体からは予想だにしなかった、
死者たちの人生と未練はかなり重かったけれど、
この仕事を通して成長していく真司を見守るのはとても感動的。
ちょっと不思議でほろりとさせる物語でした。。
【ほし太の日向ぼっこ】