ヨーコさんの“言葉” 佐野洋子文 北村裕花 絵 講談社

この本は、今年の9月までNHKで放送されていた、
「ヨーコさんの“言葉”」という佐野洋子さんのエッセイを、
絵で見て耳で味わえるという番組を書籍化したもの。
佐野洋子さんが亡くなってもう5年がたつなんて信じられないほど、
私たちは今でも変わらずに、
ヨーコさんが残してくれたものを読み、聴くことができる幸せを感じます。
この本を最初に見たとき、絵もヨーコさんが描いているのかと思いました。
それほどに文と絵はマッチしています。
中には、9編のエッセイが絶妙な絵とともに綴られていて、
どれもよかったのですが、
今年ケミコを亡くした私に一番響いたのは、
その6、「あ、これはダックスがお父さんだ」でした。
佐野家にもらわれてきた柴犬とのミックス犬、
『桃子』のことが愛情深く語られています。
実はお父さんがダックスフントだったということで、
桃子の足は短く、みんなに笑われてばかりでした。
蓮華畑の中で遊ぶ桃子は背中だけが見え、
立派な柴犬ですが、畑から出てくると、
飼い主の私でさえもびっくりするくらい桃子の足は短いのでした。
でも、長い間大事な家族として一緒に暮らしていると、
街で見かける犬の足は長すぎて何とも不恰好に見えるようになり、
最後はこう締めくくられています。
『愛は身近にいるものを
いつくしむところから生れて、
それは実に
不公平なえこひいきで、
美意識すら変えるものなのだ』
本当にそのとおりだなあと深く同意します。

























