
まさに討ち入りの日の12月14日から始まった、
spacの『忠臣蔵』を観てきました。
舞台上には正面を向いた机のセットが前に4つ後ろに2つ並べられ、
俳優たちは観客の方を向いて座っています。
平和な世が続いた時代、武士であっても戦の経験はなく、
どこか現代のサラリーマンの雰囲気を漂わせています。
そして「佐藤さん」「田中さん」と呼びあい、子供の習い事の話など、
のどかな日常のシーンから始まります。
そこへ殿が起こした重大事件の報が入り、
自分たちの身の振り方についての議論になっていきます。
でも実際自分たちもどうしていいかよくわからないため、
どこか日和見な発言になったり、
理想を追った現実離れした展開となっていきます。
途中から大石内蔵助も登場しますが、
全員観客席の方を向いての発言形態は変わらず、
鏡のような対照的な動きにコミカルさが加速されます。
世間一般的な忠臣蔵のイメージをこんなに壊してしまっていいのかな?
と、喜劇に笑いながらもふと頭をよぎりましたが、
実際の赤穂浪士たちが、これくらいの気持ちでいてくれたらいいのに…。
という気持ちにだんだんとなっていきました。
現代社会に生きる私たちの様子をそのまま見せてくれているような演劇でしたが、
脚本自体は14年前の作品と聞き、驚くとともに、
でも、万葉集だったか古典のなかにも「最近の若者は…」
なんて表現が出てくるのだから、
いつも時代もこんな風だったのかもしれません。
あっという間の1時間でしたが、
途中、女優さんたちの花魁姿で華やかさもプラスされ、
名優たちが揃った素晴らしい舞台でした。
【ほし太の日向ぼっこ】