ほし太の日向ぼっこ
ふじのくに⇔せかい演劇祭 2019 『Scala-夢幻階段』

二日目は、フランスからのアート・オブ・サーカース「Scala-夢幻階段」
を鑑賞しました。
何年か前、東京にシルク・ドゥ・ソレイユを見に行きました。
今までのサーカスのイメージと全く違った、
衣装、音楽、演出に驚きましたが、
前評判がとても高く、友人と楽しみに行った割に、
私も友人もそれほど感激しなかった思い出があります。
今回もジャンルは新しいサーカスとも言えるものだそうで、
楽しみなのとともに、また期待はずれだったらどうしよう、
という気持ちもありました。
でもすぐにそんな気持ちは吹き飛び、
驚きとワクワクの摩訶不思議な世界へと誘われました。
舞台の中心には、大きな階段があり、両サイドにはドア、
タンスやいすとテーブル、ベッドもあり室内のようです。
同じ洋服を着た男性が次々現れては、
階段わきに身を投げたと思うと同時にまた舞台上に何事もなく戻って来る。
逆回転の映像を見ているようです。
トランポリンがある、と頭ではわかっていても不思議な感覚になります。
座っていた椅子とテーブルが突然崩れ落ち、椅子から転げ落ちる女性。
一瞬の後に椅子もテーブルも元どおりになり逆再生のように椅子に戻る女性。
階段から次々とスローモーションで落ちてくる男性と女性。
全て目の前で繰り広げられていることなのに、
まるで映像を見ているような感覚になる。
パリのスカラ座のこけらおとし公演として制作されたこの演目は、
驚異的な身体能力を持つアーティストたちによって演じられる、
まさに新時代のサーカスのようで、ダンスのようで、演劇のような、
まるで、エッシャーのだまし絵の世界に迷い込んだような不思議さと、
とても質の高い60分間の体験でした。
【ほし太の日向ぼっこ】
ふじのくに⇔せかい演劇祭 2019 『ふたりの女』

毎年楽しみにしている、ふじのくに⇔せかい演劇祭 2019が
4月27日から始まりました。
10連休の初日ですが静岡ではあいにくの雨。
午後には雷も鳴り、18時からの野外劇場はどうなってしまうのか心配でしたが、
夕方には雨が上がり青空が広がりました。
日本平にある舞台芸術公演に着いた時には富士山までくっきりと見え、
まるで演劇祭の開幕を祝福しているようでした。

野外劇場「有度」は、
背景が日本平の山の自然がそのままで、
生い茂る木々が様々な表情を見せます。
席に着いた時にはまだ明るく、
これからだんだんと灯が暮れて、やがて夜となり、
背景も漆黒の闇へと変化していきます。

最初の観劇に選んだのは、唐十郎作、宮城聡さん演出のアングラ劇、
「平成版 ふたりの女」です。
この物語は、
“『源氏物語』の光源氏と妻・葵上、生霊となった六条御息所の三角関係に、
狂気と正気の境界を描くチェーホフの『六号室』を巧みに織り込んだ傑作”
ということです。
舞台は伊豆の精神病院。
セットは、砂で桝目状に区切られた空間。
後ろのドアには影絵のように登場人物たちが映し出され、
一気にアングラ劇場の世界に引き込まれました。
とにかくセリフ回しが早くて複雑難解だし、
それに役者さんたちの動きが加わりとても難しいお芝居でした。
そして日本平のこの時季の夜間はかなり冷え込むことは覚悟していましたが、
今まで以上の寒さに凍えながらの鑑賞でした。
役者さんたちの熱演と対比するような寒さが、
よけいにこの世界観と重なり、100分間の異世界を堪能しました。
【ほし太の日向ぼっこ】
モンパルナスの灯 監督:ジャック・ベッケル

以前、静岡市美術館主催の『印象派とエコール・ド・パリ』展の関連企画で、
この「モンパルナの灯」の上映会がありました。
貧困と病の中、失意のまま36歳の若さでこの世を去った画家モジリアーニの伝記的映画です。
鑑賞後に本展でモジリアーニの絵をみるのはとても切なかったのを覚えています。
今回旦那様がDVDをレンタルしてきたのでもう一度鑑賞。
モジリアーニ役は、大好きなジェラール・フィリップなので、
何度見ても眼福です。
劇中、モジリアーニが友人の仲介でアメリカのお金持ちに絵を売りに行く場面で、
モジリアーニがゴッホの言葉を借りて、
「絵は苦悩の中から生まれる」と話したのが今回とても印象的でした。
愛するジャンヌを得て、
「妻を幸せにしたい。幸せにしなければならない」と思っていたのは本当だろうけど、
芸術のために魂を売ることはできず、最後は非業の死を迎える。
その生き方も含めてモジリアーニの作品は、
今でも世界中の人々を魅了しているのかもしれないと感じました。
モジリアーニの死を確かめてから自宅に絵を買いに行く画商は、
絵を金儲けの道具としか思っていないし、
そうとは知らずに、「お金より励ましが必要なんです」と、
喜ぶジャンヌの無垢な笑顔には、本当に心が痛みました。
ジャンヌ役の、アヌーク・エーメの美しさにもとても感動しましたが、
実際のジャンヌもかなり美しい人だったようです。
モジリアーニの死の二日後に、
自ら死を選んだジャンヌは9ヶ月の身重だったそうで、
瞳に何も映さないモジリアーニの絵の中の人物は、
そんな二人をずっと悼んでいるようにも感じます。
【ほし太の日向ぼっこ】
お雑煮

昨日までの気温とうってかわって今朝は少し肌寒くなりました。
冬に買ったお餅がまだ残っていたので、
これが最後のチャンスと思い、お昼ご飯にお雑煮を作りました。
お雑煮と言っても家にある根菜を色々入れて、
どちらかと言うとけんちん汁風の汁にお餅を焼いて入れた感じです。
出汁は鰹で濃い目にとって、
大根、白菜、里芋、人参、ごぼう、ほうれん草、を入れました。
もうすぐ5月だというのに、この時季のお雑煮も意外と美味しかったです。
【ほし太の日向ぼっこ】
筍ご飯

数年前まで、この時季タケノコは食べ放題でした。
知り合いの山で、
竹林の整備をするお返しにタケノコを掘らせて貰っていたからです。
その場所に何年か前イノシシ対策の柵ができ、
気軽に立ち入ることができなくなってしまいました。
タケノコが食べたい私は、
先日田んぼに行く途中で寄ったふるさと茶屋で、
掘ったタケノコが一本150円で売っているのを発見!
でも、いつもは掘りたてをすぐに茹でていたので、
買ったタケノコはどうなのかなぁ…。
と思い、1本しか買ってこなかったのだけど、
農作業して夕方帰ってから茹でても、
けっこう美味しそうないい匂いがしてきました。
ああ、しまった、もっと2.3本買ってくればよかった。
と思ったもののあとの祭りです。
その貴重なタケノコを使って、今日はタケノコご飯にしました。
前の晩に出汁をとっておき、お米はといで浸水。
朝、タケノコと油揚げを出汁と醤油と酒で沸騰させないようにかるくサッと煮て、
ご飯とともに炊きました。
一緒に自家製のちりめん山椒も入れたけど、
お米6合に対して量が少なすぎたのか、あまり山椒の香りはしなかったなぁ。
でも程よくおコゲもありけっこう美味しくできました。
次に田んぼに行く時にタケノコあったら絶対もっと買ってこようっと。
【ほし太の日向ぼっこ】
熟成ほしいも 達磨庵 4月の歳時記

熟成ほしいも達磨庵のHPにある「歳時記」を、
昨日ようやく4月の『穀雨』で更新しました。
写真の方は、『たらの芽、菜の花、たけのこ』を芝川の姉からもらったので、
これは春らしい!と思いけっこう早くに撮影できました。
干し芋をのせるのにいつもはお皿を使いますが、
今回はたまたま目に付いた、
昔、桜の小枝と間伐材で作った調味料置きに盛り付けてみました。
歳時記の写真は横長なので、この長細さも活きたと思います。
写真は順調でしたが、そのあと文章がなかなか書けませんでした。
そうこうしている内にインフルエンザになってしまい、
結局4月も残すところ一週間というギリギリのタイミングになってしまいました。
タイムリミットはせまるけど、自分の中にないことは書けないので、
自然農の田んぼに行ったことと、
たまたまテレビで見た印象的なことを書かせてもらいました。
いつもは熟成干し芋ともからめますが、今回は全く触れませんでした。
文章と写真をSEに渡してページを作成してもらっている時、
「いつもタイトルがついていますが、今回はどうしますか?」
と聞かれました。
タイトルまで全く考えていなかったけれど、
ちょうど今が二十四節気の「穀雨」の時季だったのでそうしてもらいました。
タイトルがつくと、選んだ俳句と自然農にも妙にしっくりきておさまりがよく、
ああよかった、とほっとしました。
よかったら、熟成ほしいも達磨庵のHPの方もご覧下さい。
https://tatumaun.jp/meister/
【ほし太の日向ぼっこ】
Google Home

先日、娘の家に行ったら「Google Home」がありました。
部屋のWi-Fiの契約を変更したらお試しで付いてきたのだそう。
「OK、グーグル」と言ってから話しかけるのが妙に気恥ずかしいです。
「何か役に立つの?」と聞いたら、
テレビや部屋の照明をつけたり消したり、アラームをセットしたり、
天気予報などを聞くくらいだそう。
それも「テレビつけて!」と言っても反応なしで、
「テレビをつけて!」と言わなければダメ。
天気予報はスラスラ答えてくれるけど、
「どんな服を着たらいい?」と聞いても、
「何を着てもお似合いですが…」と参考になりそうな答えはなし。
おまけにアラーム音が、
娘の旦那様曰く、「なんかぼんやりとした音」で、
目が覚めるかどうかあやしいらしい。
契約したら月額5000円くらいかかるみたいだし、
たぶんお試し期間が過ぎたら返却するんだろうなぁ。
ちょっとでも体験できて面白かったけどね。
【ほし太の日向ぼっこ】
月イチ歌舞伎

シネマ歌舞伎「野田版 桜の森の満開の下」をみました。
坂口安吾の「桜の森の満開の下」と「夜長姫と耳男」という小説を下敷きに、
劇団夢の遊眠社によって初演された演劇「贋作 桜の森の満開の下」は、
野田秀樹氏の最高傑作とも称される戯曲で、その後何度も再演されているのだそう。
それを歌舞伎に昇華させ、
平成29年8月に中村勘九郎・七之助の主演により、歌舞伎座で上演されたもの。
演劇の方は観劇していないのでわかりませんが、
美しい舞台美術と豪華な衣装、言葉遊び的なダジャレと、
役者さんたちの確かな演技力に圧倒されました。
桜の木の下には死体が埋まっている…。
こんな言い伝えを聞いたことがあります。
この歌舞伎も、桜の美しさと恐ろしさを象徴とし、
人間たちの愚かさ、権力闘争の醜さ、
そしていつの世も必要悪とされる鬼の存在に、
夜長姫と耳男の純粋で残酷な愛情。
その全てがシンクロして、フィナーレへと突き進みます。
最後に訪れた虚無の世界、
ただただ桜の花びらが舞い散るシーンでは胸にグッと迫るものがありました。
シネマ歌舞伎ならではの醍醐味で、役者さんの表情までよくわかり、
その世界観にどっぷりと浸かることができた2時間強でした。
【ほし太の日向ぼっこ】
静岡芸術劇場開館20周年 記念式典

静岡芸術劇場 開館20周年 記念式典と、
SPAC芸術総監督 宮城 聡氏のフランス芸術文化勲章シェヴァリエ叙勲式が、
18日静岡芸術劇場で行われました。
SPACの会会員の我が家にも、この式典参加のご招待状を送っていただき、
フランス勲章の叙勲式なんてそうそう見られないことだと思い、
楽しみに参加させていただきました。
最初に、ウェルカムパフォーマンスがあり、
SPACの俳優さんたちによるマハーバーラタのフィナーレ、
祝祭の場面が披露されました。
とてもSPACらしい素敵なオープニングです。
続いて主催者である、SPAC理事長 鈴木壽美子氏の挨拶。
静岡県知事 川勝平太氏の祝辞があり、お二方のお話もとてもよかったのですが、
SPACの会・賛助会員を代表して、瀧容子氏と、
ボランティアスタッフである、SPACシアタークルーの松本孝則氏の祝辞が
ご自身のSPACとの出会いや演劇体験を交え、
私自身もとても共感できる内容でした。
式典の最後は宮城氏ご自身曰く、
SPACの活動のプレゼンテーショーンがありました。
20年間の活動の歴史と、古典を定期的に上演していることの紹介。
中高生鑑賞事業「げきとも」についての思いは、
まさに社会性涵養プログラムだなぁと感じました。
そしてさらにSPACが目指すところは、演劇界のウィーンフィルだということ。
ここ静岡の地で育った演劇人が世界中で活躍し、
世界中から、SPACの演劇を鑑賞しにここ静岡にやってくる、
という宮城さんの思いを聞けたことは最大の喜びでした。
最後にフランス国営放送が制作した、
アビニョン演劇祭のオープニングを飾った、
SPACの演劇「アンチゴネ」の製作過程を追った8分間のドキュメントを鑑賞し式典が終了しました。
続いて、中日フランス大使ローラン・ピック氏から勲章の授与式がありました。
授与に先立ち宮城さんが行ってきた活動と数々の功績を大使自らが紹介され、
本場の流暢なフランス語に、いつしか睡魔が訪れたりもしましたが、
勲章は青く輝きとても素敵でした。
宮城さんは謙遜されて「演出家は一人では何もできない」と仰います。
俳優、スタッフ、裏方、そして観客にも助けられると聞き、
私自身、これからもよき観客として
SPACを支えていけるんだなぁという幸せを感じた1時間半でした。
【ほし太の日向ぼっこ】
世界はもっと美しくなる 奈良少年刑務所詩集 寮美千子編 ロクリン社

詩人の寮美千子さんとご主人が、9年間に渡り奈良少年刑務所で行ってきた、
社会性涵養プログラムの授業を通して書かれた少年たちの詩集。
「世界はもっと美しくなる」を読みました。
世間的には、凶悪犯とされる彼らは、
犯罪者の前に被害者でもあり、社会から取り残された存在でした。
この授業では、自作の詩を朗読し聞いていたみなが感想を話します。
その体験は、他人を受け入れ、また受容されることでした。
共感されること。
共感されなくても自作の詩に意見を言ってもらうだけで、
彼らにとっては貴重な経験だったことでしょう。
その授業は、まるで森林浴のように、
教師も生徒も看守さんも、みな心が洗われるような体験だったといいます。
詩の言葉の一つ一つ、
どんな気持ちで紡がれたのかを想像するだけで涙が込み上げてきました。
奈良少年刑務所は、明治時代に造られた美しい建造物です。
表紙にも、中にもたくさんの写真が収められていました。
現在この奈良少年刑務所は閉所となり、
新たに民間の手により高級ホテルに生まれ変わるのだそうです。
ここにいた少年たちの居場所はこれからどうなってしまうのでしょう。
それだけが心配で心が痛みました。
【ほし太の日向ぼっこ】